私たちの生活に、今やなくてはならない存在となっている、パソコンやスマートフォン。仕事や日常生活など、毎日触れているこれらの機械の裏側には、その便利さを支えるシステムをつくっている人たちがいます。
今回訪ねたのは、北九州市戸畑区。鉄の街として歴史あるこのエリアでは、近年ITを活かした新しい働きかたやものづくりを模索する人たちが増えてきています。その一角に拠点を構える、株式会社ガーマンドシステムでは、企業向けのシステム開発や運用保守、Webサイトの制作などを幅広く手がけています。
「IT会社って、ずっとパソコンとにらめっこしている仕事なのかな」そう思っている人にこそ、ぜひ読み進めてほしいです。ガーマンドシステムでの働きかたを知ると、システム開発の世界がぐっと身近になると思います。
バスケ部の主将も、数学好きの少年も
思いがけず飛び込んだ「システムの世界」

「システム開発って聞いても、最初は正直ピンとこなかったんです」
そう打ち明けてくれたのは、入社4年目の白石さん。
「家族がIT系の仕事をしていたこともあって、なんとなく『パソコンを使った仕事ってカッコいい』というイメージはありました。でも、実際にどんな作業をするのかは全然知らなかったですね。」
就職先を考え始めたとき、両親の影響もあって、まずはIT企業に絞りこんでみたそう。
たくさんの求人票のなかから、『なんとなく見学に行ってみよう』と思ったのがガーマンドシステムだった。
「実際に会社見学に行ってみたら真面目だけど明るい雰囲気で、社員同士で気さくに話しているのも見かけて。ここなら、人間関係で肩肘を張らなくて良さそうと思ったんです」
高校時代はバスケットボール部に所属し、主将を務めていたという白石さん。ほかのチームの戦術を研究し、試合で実践する。いわば「戦略を組み立てて実行する」ことに面白さを感じていたそうです。
いっぽう、入社2年目の梶原さんは、友人と求人票を見ているなかで「プログラマーって面白そうじゃない?」という話になったところから興味を持ったそう。
「昔から数学の授業が好きだったんです。『答えを見つけるまでの過程』にワクワクするタイプで、原因を探して解決法を考えるのが楽しくて。それならプログラミングも合うんじゃないかと思いました」
入社してから2ヶ月半、まずは研修を受けてプログラミングについてしっかり学んでいく。
「学校でも情報処理やプログラミングの授業はあったけれど、授業で扱うのはやっぱり基礎中の基礎で。研修でいちからちゃんと教えてもらったおかげで、その後のプロジェクトにも不安なく参加できました」
「プログラミングは、不具合が出たら、その原因を追求して解決策を見つける。問題を解き明かす過程が、どこか数学と似ている気がして面白いんです。それに、最初は一つひとつ新しいことを覚えていくのに必死だったけれど、そのうち『このエラー、前にもあったやつだ』と対応がスムーズになる瞬間がくる。自分の成長が目に見えると嬉しいですね」
まったくの未経験からスタートする分、覚えることは多い。だからこそ「少しずつできることが増えていく」感覚がモチベーションになっているんだろうな。
厳しさだけではなく「丁寧に育てる」リーダーの存在

「白石が最近、本当に頼もしくなってきたんですよ」
そう話すのは、会社設立当初から在籍しているベテランの羽廣さん。今はリーダー職として若手を育てつつ、チームを取りまとめている存在。前職ではずっとプログラミングに没頭していたけれど、ガーマンドシステムに移ってからは、システムの構想を練る“上流工程”から携わることになり、ものづくりの全体を見渡せる面白さに目覚めたそう。
「サラリーマンを続けたくなくて」社長が語る創業物語

ガーマンドシステムはどうやって生まれた会社なのか。
宮房社長に聞くと、率直に「サラリーマンを続けたくない」という思いからだったと笑います。
「いろんな会社で働いてきて、いろんな上司と出会いました。尊敬できる人もいれば、相性の悪かった人もいて。誰かの下で働くのが苦手だったんですよね。だったら自分で独立して、自分の力で食べていける道をつくろうと考えました。最初は家賃を払うのも大変でしたが、昔からの仲間が手伝ってくれたり、何とかかんとかやってきた感じですね」
駆け出しの頃は、請求書の支払いをしてもらうために頭を下げ続けたこともあったそう。れでも続けられたのは、お客さんの企業と深くつながりながら「もっと面白いシステムをつくれないだろうか」と試行錯誤するのが性に合っていたから。お客さんの課題や希望をくみ取り、ゼロから形にしていく“ものづくり”の醍醐味は計り知れない。
「いつのまにか社屋を建てられるくらいまで会社が大きくなって、戸畑の地に根を下ろしました。うちの建物って木造なんですよ。外から見ると家のように見えるらしく、『あれ、ここ会社?』と聞かれることもしょっちゅう。でもこの“家っぽさ”が、社員がのびのびと働ける雰囲気にうまくハマった気がしています」
無機質でオシャレなオフィスビルではなく、木のぬくもりが感じられる社屋。
そのなかで小さなグループがいくつかに分かれ、それぞれ相談し合いながら仕事を進めている様子は、確かに“家族”に近いものがあるように思えます。
「やってみたい」「こうしたらどうだろう」をカタチにする

社長の宮房さんによると、ガーマンドシステムの強みは「小さなチームで上流から下流まで関われる」こと。
案件によっては要件定義やシステムの設計、プログラミング、保守運用まで、広い範囲を一気通貫で経験できるため、「あれもこれもやりたい」という好奇心の強い人なら、より楽しめると思う。
「システムの依頼は毎回違うから、飽きっぽい人にもいいかもしれません。逆に、ずっと同じ仕事を安定して続けたい人には、そういうポジションを用意することもある。プロジェクトリーダー同士で『この子はこんな得意分野があるから、こっちの仕事が合いそうだね』みたいに調整していますね」
一人ひとりの得意を伸ばすことを大切にしている会社だから、プログラムの技術を極める道もあれば、人をまとめる役割に挑戦していく道もある。実際に入ってみてから、自分の好きを見つけていけばいい。
お客さんである企業の悩みを解決するためには、ただシステムを開発するだけでなく、コンサルや保守運用などの仕事もしているガーマンドシステム。さまざまな役割の仕事のなかから、得意や好きをゆっくり見つけていけると思う。
【北九州に根付きながら何を目指すのか】
北九州市で創業し、いまもこの街にしっかり根を下ろすガーマンドシステム。地域の企業や取引先との付き合いを大事にしているという。
「会社として大きくなることだけがゴールではないと思っています。社員一人ひとりが、自分のスキルを活かして成長し、北九州で長く活躍してくれる場所でありたい」
「社長は、地域支援や寄付、ボランティアにも力を入れていて、社員もそこに参加することが多いんです。」
ITの技術で企業をサポートすることに留まらずさまざまな立場から企業を支え、さらには地域も支える。パソコンや数字が好きな人ならもちろんチームで一緒にものをつくることに興味がある人も、きっと成長できるように感じました。
まずは足を踏み出してみる。そこから見える世界は想像以上に広いと思います。
 
				 
				 
				 
				 
				
 
			 
			 
			 
			 
			 
			
